うまいパスを出せるチームは強い ソーシャル時代の新しい働き方

岡田斗志夫氏と内田樹氏の「評価と贈与の経済学」という本のなかの対話にて、お金を回していくってことはどういうことか、と言うことで以下のように述べていました。

「あっちからパスが来たら、次の人にパスする、そうするとまた次のパスが来る。そういうふうに流れているんですよ。パス出さないで持っていると、次のパスが来ない。来たらすぐにワンタッチでパスを出すようなプレイヤーのところに選択的にパスが集まる。そういうものなんですよ。」

ビジネスにおいても。情報を、パっと回してあげることが大事で、情報をストックさせているだけでなくしっかりフローさせるってことがとても重要です。

もったいぶって足元に留めておいても得点は入らない。なるべく早く、なるべく必要なひとにパっと届けてあげなければならない。すると、あの人にパスをするとボールがよく通るってことで、そういうところには自然によくパスが集まってくる。スペインサッカーの強さはそういうパス回しがとても卓越しているということでしょうか。

上図は、二つのパス回しについて示していますが、これらの図はどちらが良いと判断するものではなく、むしろ必要な時に色々な種類の方法で、必要な人にパスできているか?という対応力の問題です。

サッカーでもなんでも、いつも同じコースにパスをしていると、”それは既に読まれてる”ってことになったり、いつもこの人にパスをだすと「インターセプトされる」というようにいつも同じやり方だとダメなので、状況に合わせてさまざまな戦い方やパス回しが出来るチームが強いということになるわけです。

ビジネスでの戦い方は大きく変わりました。例えるならば20世紀は野球型の戦い方をしていた時代。各自プレイヤーには決められた「役割」とか「マニュアル」があって、自分の打順や出番も決まっていて、守備をしていてもそれは僕の守備範囲じゃないっていうことが言えた時代です。また、実際みんなそういうルールで戦っていたので、そのことについて誰も疑問に思わなかったし、ゲームも問題なく回っていました。

しかし21世紀にはいって、グローバル化により、ゲームのルールが変わってしまったことにより、以前のように打順を待っているような戦い方ではやっていけないってことになった。今は野球的なものからサッカー的な戦い方への変化の過渡期にあるといっていいと思います。

もちろん、サッカーの場合も「役割」とか「マニュアル」も存在しますが、基本的に試合中は選手自身の判断となるので野球に比べれば監督の影響力などもずっと小さいものです。サッカーの場合は試合が始まってしまったら、基本的にはプレイヤー自身の判断によって進められます。その意味で分権的であり、個々の主体性とか自律性が強調されています。

しかし、いままで打順や守備範囲が固定されていた選手たちに、「今日から突如ゲームのルールが変わったこれからは主体性をもって戦ってください」と伝えても選手たちは主体性をもって臨機応変に戦う方法はしらない。だからこそ、そのようなゲームで戦う場合では、あらかじめ色々な戦術を明確し、組織力を高めておく必要があるのです。

訓練が終え、選手たちが状況に合わせて多彩なパス回しができるようになったり、阿吽の呼吸でゴールを目指せたり、選手たちがまるで一つの生き物のように機能することが出来たら、それはきっと、野球的な戦い方をしている人に比べ「俺たちは負ける気がしない」ということになるのではないでしょうか。

ルール システム 戦い方の
柔軟性
勝利に与える影響度 試合中
監督の影響度
野球 ターン制 統制型 低い 個々の実力の総体 高い
サッカー リアルタイム 自律型 高い 個々の実力と組織力 低い
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