Office365 SkyDrive Pro 容量7GBから25GBへの変更が意味する5つの点

8/27 Office365 での個人用ストレージ領域として割り当てられるSkyDrive Proの容量が7GBから25GBまで拡張された情報がメディアで報じられた。
また、必要に応じて50GB、100GBと増設も可能だ。25GBまで拡張されたことにより、特別な業務に携わる者でない限り多くのユーザーのストレージに対する要求を満たすことができるのではないだろうか。

以下に考えることが出来るメリットについて述べてみたい。
1.ワークスタイル改革の促進

社内でタブレットやスマートフォンを配布してはみたものの、メールと電話以外の機能しか使われていないというような声で、よりデバイスの有効利用を望む声は高い。25GBに拡張されたことと、各デバイス用に提供されるSkyDrive PROアプリにより、ユーザーは常にデスクトップと同じ情報を、どこからでも、どんなデバイスからでもアクセスすることが出来るようになった。これまでは、いつどんな情報が必要になるかがわからないため、大量の資料を印刷して持ち歩いたり、「後日改めて資料をお持ちします」といった非効率な作業が少なくなるだろう。

2.オフライン利用

従来のファイルサーバーの利用は、オンライン上での利用が大前提にあったが、SkyDrive ProとOffice2013の組み合わせによる同期機能により、365上のファイルを常にオフラインに同期して保存できるため、いつでも同じ情報を参照、編集できるようになった。

3.ファイルサーバーとしての利用

1000人規模で利用する場合25GBx1000=25TB利用できる。かつ企業ごとに割り当てられる別領域をも利用できるようになることを考えると、多くの企業はこれによりファイルサーバーからの移行対象としても本格的に利用することが出来る。

4.BCP対策

BCP対策としてファイルサーバーのデータを、東京と大阪あるいは海外と繋いでミラー化し、いざという時に備えるという需要は、特に震災以降急激に増えた。
そういうことになると、通常東京のサイトでミラー構成をし、それをまた別のサイトにコピーするとなると、サーバーにかかるHW、ストレージコスト、バックアップにかかるソフトウェア、専用線など諸々の費用を見積もると、大企業であれば数千万~は軽くかかってしまう構成になってしまう。
それに対して、Office365であれば、自動的な冗長構成となり、震災等の「いざという時」にでも安心して利用ることが出来るようになる。これだけで365を利用する価値は十分にある。

5.PC、サーバーリプレイスコストの削減

PCリプレイスに発生する、データ移行のコストだ。通常、移行する対象になるのは、POPなどで受信しているようであればメールデータファイル、マイドキュメントの中身、デスクトップ上のファイル、「お気に入り」と様々あるが、25GBの利用領域を使う事とによってこれらすべてをクラウド上に持つことが出来るはずだ。

また、SharePoint2013になってもっとも一般ユーザーにとって良い効用をもたらしている素晴らしいユーザビリティは2つあると考えている。
1つは、ブラウザ上でのファイルのドラッグアンドドロップによる、ファイル保存とダウンロード。
2つ目が、今回の25GBの容量拡張と、コンピュータとのオフライン同期機能になる。
この2つの機能によって、解決される最大課題は、普段ファイルサーバー以上のことを行わないユーザーに対して、今までの同じ操作感を継承しつつ、今まで以上のユーザビリティとエクスペリエンスをもたらしていることだ。

まとめ Business Social Communication Forum ~ソーシャルで進化する社内情報共有ソリューション~

8/30@品川 イベントメモ

参加者 陣屋 代表取締役社長 宮崎 富夫 氏/セールスフォース・ドットコム 関 孝則 氏/日本IBM 行木 陽子 氏 八木橋 Pachi 昌也 氏/日本マイクロソフト 米野 宏明 氏/アクセンチュア 立花 良範 氏

※私の解釈でまとめられていますので、一言一句同じコメントをしているわけではありませんのでご注意くださし。

陣屋さん「陣屋ではこれまでパソコンを使えるスタッフがほとんどいなかった。上は75歳という ITが得意でない人に対しても、そのマイナス面を上回る優れた効用を生み出し、裏方の仕事を減らして本業に専念できるようになった。 SNSの成功は1日にしてならず。1.01の法則で365日一歩一歩の積み重ねが大切。」

JAL「”JAL Philosophy”を作ることにより、社員1人1人がJALであることと責任を再認識。これまでの官僚的で顔が見えない組織からの脱却を目指した。立場は違えども自分たちに何が出来るだろうと1人1人が考えることが出来るようになった。 周りの社員からの刺激を受け、自らも羽ばたいていけるようになった。これこそがソーシャルの力」

SFDC関さん「かつて電話の時代では隣から会話が聞き漏れてくるから、自然に何かあればお互いに助け合うことが出来た。 現在では組織は変わらないが、そのスケールは変わった。 壁の向こう側に専門家がいることもある。ソーシャルによってスケールを超え、スピードと濃密なコミュニケーションを取り戻すことが出来た。」

トヨタさん「グローバルでソーシャルを利用するトヨタでは社員ひとりの質問に対して、数分後には世界中から多くの回答が寄せられる。 いままでは1年に一度しか会えなかったと人と、今は世界中の人と絶えず繋がっていることが出来る。ソーシャルはこれまでの人生の中になかった経験である。」

IBM行木さん「IBMではCEOが変わり社長が社員に対するメッセージをビデオにとってブログに乗せた。その日の内に20万の社員が閲覧した。ビデオの横に流れるTLには多くの社員からフィードバックが寄せられた。これまではメール。読んで終わり。臨場感も一体感も共有できなかった」

IBM八木橋さん 「IBMではESNをコミュニケーションツール ナレッジシステムとは考えていない。オンライン上での働く場所そのものと考えている。 社内への浸透のさせ方。重要なのは使うと得、使わないと損。ということを実感させること。伝染させていくこと。」

MS米野さん「どのような情報も文脈の共有がないと、本来の情報価値が活かせない。BIなどもそうである。トップダウンで知らされた情報を誰がどのように受け取るかは文脈次第。 ソーシャルの優れた点は、情報の伝播力、気軽な反応、双方向承認。状態の把握ができること。」

社員にチカラを。オープンリーダーシップで組織力を。

先日、ある大手外資系企業の一部門内で、マネージャーの方のふとした思い付きにより「働く人たちのイノベーション」というテーマで部門の皆さんへアイデア募集が行われました。そちらの部門は100名程が在籍する部門なのですが、そこから10日間足らずで実に187個ものアイデアが提出されたそうです。その提案はパートナースタッフからは勿論のこと、また周りのご家族の中からも寄せられたそうです。

とても多くの提案が寄せられましたが、これはマネージャーの「思い付き」で行ったものですので、強制はもちろんありません。業務でもありません。また、評価や褒賞が得られることもありません。しかし、多くの方々は自宅などで「こんな風にしたらもっと素晴らしいのに」と、発想を膨らませ、思い思いのアイデアを練られたそうです。果たしてそうしたチカラはいったい何処から生まれてくるのでしょうか。

そちらのオフィスで働く皆さんは、日常ソーシャルツールなどは使いません。ITにもあまり詳しくありません。そんな彼ら彼女らがこのような大きなチカラを発揮できるのは、社員ひとりひとりの個性やアイデンティティを大切にする「褒め合いの文化」が強く組織に根付いているからなのだそうです。

なにかあったら感謝の気持ちを込めて「ありがとう」。いろいろな気づきに「ありがとう」。小さな提案に対しても「あなたのこの一声がありがたい」と感謝の一言を。

そのように色々な意見や考え方を普段から賞賛することで、発言者側からも「どんなアイデアでも絶対に誰かが受け止めてくれる」という気持ちになる。そのことがまた発言をしやすい雰囲気をつくり、コミュニケーションが共感をよび、そこに仲間意識が生まれ、組織としての一体感が出てくる・・・

そうしたことが、自然に自分たちの会社や、その周辺の環境をも良くしていこうという気持ちに繋がるのだとおっしゃっておりました。これはひとつの「生産性」と考えることが出来るのではないでしょうか。

組織の中での生産性

組織のパフォーマンスを表す際にしばしば「生産性」という言葉が使われますが、多くの場合「この作業を終えるのにどれだけ時間短縮できたか」「いくらコストダウンできたか」という点に目を奪われがちです。しかし、そうしたオペレーションの問題に比べ、これはまた別の意味で素晴らしい「生産性」をもたらすことを共感のコラボレーションによって体現されているのだと思います。

「コミュニケーションの活性化」という目標をたて、様々な形で取り組みをなされる方がいます。社員が自発的に発言し意見交換できるような職場環境には、「制度的」「心理的」の二つの側面への信頼が不可欠です。ひとつは 組織制度やシステムに対して、もうひとつは心理的ホームベースの存在。人々に感情的安全を保障し、いつでも帰って来られるがゆえに冒険や挑戦に乗り出して行けるホームベースの存在は何より重要です。こちらの会社のマネージャーの方は、オープンリーダーシップという考えのもとに、数多くのことを実践されているのだと思います。

30年前のあるスーパーマーケットでの出来事

会社の規模が大きくなってくると、「いつ誰が何処で何をしているのか?」「どんなことを考えているか?」ということを理解できる蓋然性は自動的に減っていきます。そうした問題を回避するために、企業は管理職を設置し、「いつ誰が何処で何をしているのか?」を、統制することになりました。しかし、時によってそれは、重要な人の声が然るべき人に届かないという現象に繋がります。

いまから30年ほど前に、イトーヨーカドーさんについてのエピソードでこのような話がありました。当時、どこかのテレビ番組で「スキムミルクを飲むと頭が良くなる」という情報が流れ、それをたまたま自宅で見ていたパートタイマーの女性が、「いまこんなことをテレビでやっていますよ」と本部の方に直接それを申し出たそうです。本部の方々はその方の意見を聞き「ありがとう」の気持ちと共に、大至急スキムミルクの在庫確保にまわったそうです。あくる日、競合するスーパーでは在庫が直ぐになくなりました。しかし、イトーヨーカドーさんには、あくる日もそのまたあくる日も、訪れるお客様の為に必要な商品を提供出来たという話です。これがどこまで本当の話か分かりませんが、イトーヨーカドーさんの中には30年前から、働く人のひとりひとりの声が直接本部に届く仕組みがありました。そしてなにより、働く一人ひとりの声を大切にする信頼関係があったのでしょう。これも先ほどの「褒め合いの文化」と同様に多様な意見を評価できる文化があってこそ成せた結果なのではないでしょうか。

昔と今と違うこと、同じこと

現在、私たちが扱うことが出来るテクノロジは30年前とはくらべものにならないものになりました。かつては電話を一本いれ、せいぜいその報告を何人かの人で協議することが精いっぱいでしたが、いまはテクノロジを通じて海の向こう側の人たちにも情報交換することが出来ます。一線で働く営業の方、広報の方、在庫管理をされる方、マネージャーの方、色々な人たちと同時に情報交換が出来るようになりました。企業向けのソーシャルツールの登場により、宛先が分からなくともその情報を必要としている“誰かに”届けることが出来るようになったことは大きな進歩です。

以上の例で共通して言えることは、一人ひとりの気持ちが尊重される、職場環境があったということは言うまでもありません。恐らくこのパートの人も、テレビでみたことの報告を入れても、そのことでお給料があがったりすることはないでしょう。では、そのモチベーションは何だったのでしょうか。それは、お客様から寄せられる声であったり、一緒に働く仲間であったり、会社のことを想う心なのかもしれません。「褒め合いの文化」は30年前からこの先の未来まで変わることのない、私たちの心を動かす「インセンティブ」のひとつです。

まとめ

企業向けに提供されるエンタープライズソーシャルネットワーク(ESN)を導入し「いいね」を押しても、急に会社に変化が起きたり、絆が深まるということは無いと思います。しかし、時間をかけ、いくつかの段階を乗り越え、社員が外発的な強制から、自発的に物事を考え行動が出来るようになってくると、非常に力強いパフォーマンスを発揮できる組織力が生まれてくるというのが今回の紹介内容です。

社員ひとりひとりが何処で働いていても、また見ず知らずの人にでも「すばらしい」「ありがとう」の賞賛の気持ちが自然に送り合えるようになったときに、ふとして私たちは、今より数段に高い生産性を手にしているのではないでしょうか?