【Yammer】 Nationwide Insuranceの事例からみる成功のヒント

米Nationwide Insuranceでは、業務に必要なドキュメントを発見する、 特定の領域の専門家 を探索するという、業務問題の解決における重要なプロセスからペインを取り除くためエンタープライズソーシャルネットワーク (Yammer)を導入しました 。同社のCIOグレック・モラン氏は、Yammerは「我々のコラボレーションの生態系(エコシステム)の”核”」であると評価し、既存のSharePointとYammerを上手く統合することにより、彼らは知識管理とコラボレーション改善をゴールに達成しました。なぜYammerが成功したのでしょうか? その理由のひとつは、LinkedInとFacebookを模したそのインターフェースから生じています。今日世界では50億以上の人々がソーシャルテクノロジーを利用し、新世紀世代が職場を移入し続けており、既存のコラボレーションツールからエンタープライズソーシャルネットワークへのシフト(或いは共存)は自然なものとして捉えることができたからといいます。

しかし、ソーシャルを通じて組織を改善や目標を達成するためには、リーダーシップやビジョンの再定義が必要になります。ガートナーの最近のレポートでは、「ソーシャルビジネスの取り組みの80パーセントは、意図した成果を達成できない」と述べており、その理由に対してCarol Rozwell(ガートナーの副社長)は、「企業でのESNの取り組みは、これまでのテクノロジーの展開とは全く異なることを認識する必要がある」と述べ、テクノロジーに対する過度な期待 (誤解) と社員のリーダーシップおよびリレーションシップに関する不十分な見識についての問題を強調しています。 あらゆる企業のイニシアチブと同様に、ソーシャルビジネスに向かって進行に対しても、重大な戦略的思考を必要とします。

これまで、いくつかのエンタープライズソーシャルの展開に関わってきた経験する中、多くの企業のエグゼクティブは、ここに課題に挙げたような、リーダーシップやマネジメント(例えば人的リソースの活用、横の繋がりが大事)だというような共通の問題意識を抱えており、問題はトップにあるのではないことが多い。むしろ多くの場合、IT部門や導入推進および主幹しようとする部門レベルでの知識不足や導入計画に不足する起因することがわかってきました。決して”システムを導入するまでが我々の仕事” というように、種だけ巻いて水もやらないようなことでは社内のコラボレーション風土は決して育たないわけです。

下図はある企業においてエンタープライズソーシャル展開の際に用いた計画ですが、ここに記すようにテクノロジーに関わる問題解決のみではなく、多方面での問題を部門横断的に計画が立てられています。

また、エンタープライズソーシャルネットワークの実装からの投資利益率(ROI)への直接的なリターン測定に挑戦することは不可能ではありません。それはROI測定を計画当初から明確に実装の目標に定義することによって容易になり、そのいくつかの主要な目的を、生産性を向上や社員の士気を高めるためと定義することが出来きます。36,000人の労働力を持つ企業においても、社員間の相互作用の増加と情報の凝集を促進することが、企業向けソーシャルネットワークの導入により可能になる。エンタープライズソーシャル成功のヒントは、まずは図に示すような準備期に「我々は何処に向かうのか?」という目的を、組織をあげて定義していくことが最初の大切なステップになります。地図を広げ行先の確認作業を行ってください。

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Yammer に対する期待 ~10のベネフィットといくつかの注意点~

これまでYammerのようなエンタープライズソーシャルネットワークの高まりについてブログに書き、それが職場にもたらす利益と欠点を検証してきました。

ソーシャルプラットフォームは、コンシューマービジネス市場の中でいまや必要不可欠な存在となり、スマートフォンの登場に例にみるように、ビジネスシーンにおいても、必然的に消費者の日常的な生活を支配するテクノロジーが、若干の方法、形を変え伸長してくるはずです。 今はまだ、その境界線は個人と企業との間でぼやけていますが、エンタープライズ向けの製品はユーザーによる受け入れを成し遂げるためにユーザーの行動や好みの細かな要求を満たしていくと思います。企業側も、価値あるソーシャルアナリティクス₁(例えば内部のソーシャルグラフ、使用パターンと社員のふるまい)を捕えるために、Yammerのようなツールを必要しており、ソーシャルは確実に定着していく傾向にあります。

Yammerは基本的に企業のためのFacebookといってよいわけですが、組織に社員間のパーソナルなネットワークを提供していきます。その価値は、社会的にも物理的にも分断された社員たちを繋ぎ₂、情報の共有とコラボレーションを可能にするものです。Yammerがコミュニケーション ハブとして内部情報やナレッジへのアクセスの増加₃をさせることは、ビジネスの成長に直接的な影響をもたらします。シーメンスなどのような先進的な企業においては、特にコラボレーションの分野において、外部の経営リソースを活用₄していくためのオープン・イノベーションを推進し、企業内部においても機能的なサイロ化によるコミュニケーション改善にも積極的に取り組み、異なる地域や境界を乗り越えていこうとする挑戦がみられます。

Yammerは社員による自律的な行動と創造性₅をエンハンスドします。ユーザーはYammerに写真を加え、パーソナルな情報を入力することができて、彼らの専門知識をリスト化する。 地理的な条件に関係なく、ユーザーは専門家のアドバイスを求めて、その領域の専門家を素早く顔の見えるディレクトリから捜す₆ことができる。そうした一連のプロセスの中で企業のリーダーシップや縦型のコミュニケーションを改善₇していきます。また、Yammerが社員のリーダーシップと活動をネットワーク上で可視化することで、階層をフラット化₈させ、ネットワーク全体に対してポジティブな影響をもたらしていく一面もあります。また、新しいマネジメントの取り組みと戦略立案に対する、社員からのフィードバックや議論₉は特に有効です。一部の社員が会議で率直に意見の述べるのに躊躇があるのに対して、ソーシャルプラットフォームは、率直で、建設的なフィードバックのための低圧な環境を提供する。また、グローバルに見れば言語の違いや時間の壁といった制約を大きく下げたコラボレーションを実現する。この種の公開型のインタラクティブ・フォーラムは、社員に問題を提起するため、リーダーシップのために新しい機会₁₀を与えます。

しかし、Yammerのようなソーシャルツールが、すべての会社にふさわしい場合があるというわけではなく考慮する不安点もあります。社員構成がテクノロジーに対して一定レベル以上に精通したユーザーから成らないならば、「社員がYammerを使うための必要なトレーニングのコストがあまりに高い」ケースがあります。また、実際に「ツールの使用に対しての抵抗が、大きな壁となる」可能性もある 。「Yammerが彼らの日常の業務責任の焦点をぼかしてしまわないか」ということ。「特定領域の専門家に対して、問い合わせが集中してしまうことはないか?」 「仕事のためにそれを使うより、むしろまるでフェイスブックで最新のゴシップを得ることのように、Yammerが使われることはないでだろうか?」
しかし、いくつかの点に注意を払いながらコミュニケーション設計を行うことになり、Yammerを用いることで、大幅に社員エンゲージメントと効率性を向上させ、企業のビジネスオペレーションを基本的に変えていくことが出来ると思います。

フューチャー・オブ・ワーク

集権的なハイアラーキー構造は、専門家の知識を集中させることにより、共通した課題を解決させる際に大きな威力を発揮する構造といわれますが、変化の激しい社会では全体像を知っている人は誰もいないという危険性が伴います。一方、分散的な構造は、選択の自由からなる柔軟性と創造力が強みとなりますが、効率性の面で指摘されるわけです。また、組織においてスケールメリットが重視されるときには集中化がそれを可能とし、柔軟性や創造性が重視されるときには分散化がそれを可能にします。

しかし、このような組織が集中化することの利点はこの10年でなくなったとMITのトーマス・W・マローンは著書の中で述べています。それは、テクノロジーの進化により情報伝達コストを抑えた分散化が可能になり、組織が大きいことによって得られるスケールメリットなどの利益と、モチベーションや柔軟性と言った、組織が小さいことによって得られる利益も同時に享受できるようになったからです。

また、マローンはそのような資源配分に関するコミュニケーションの優劣を 【市場 >民主制 >緩やかな階層組織 >集権化された階層組織】の順に4つのフレームで比較しています。そこでは、取引にかかるコストが低く分散的な意思決定が必要の場合は〈市場〉を選択するのが可能で、それが向かなければ民主制で・・・と言う具合に、どんなリソースがいま必要かという探索コストや、実際に契約や交渉に関わる煩雑さをみて選択を行っているわけです。つまり〈市場〉も〈民主制〉もひとつの意思決定ツールとして捉えているわけです。たとえば、昨今試みが見られるような〈オープン・イノベーション〉といわれる取り組みも、意思決定を外部構造〈市場〉に求めるのか、内部構造〈緩やかな階層組織〉に求めるのかという資源配分の話です。

マローンに言わせれば、「集権と分権」「市場とコミュニティ」「外発的と内発的なるもの」を対立させる議論にはもはや意味がなく、そもそも対立の軸すら存在しないわけです。それらは所与の前提や目的達成の制約手段に過ぎないということです。それにより主体の目的意識と組織の問題は、目的に応じた徹底した議論が必要になってきます。個人の不全感の原因を組織や制度に求めるのは生産的でないだけでなく、別水準の問題を混同したかたちの議論を進めても双方になんの改善ももたらさないわけです。

Excel 2013 のBI機能でYammer 分析


MSDNブログに面白い投稿がありました。
http://blogs.msdn.com/b/richard_dizeregas_blog/archive/2014/04/09/yammer-analytics-with-excel-and-power-bi.aspx

Excel2013をつかったYammer の利用状況を分析する方法の紹介です。
細かなやり方はビデオを参照してほしいのですが、概要としては、API経由して、https://www.mashape.com/ から分析用のデータをもってくることができるので、それをExcel2013のPowerBIの機能(Power Query/Power View/Power Pivot/Power Map・・・)で、可視化するというものです。
必要環境は、Yammerの管理者アカウント、Excel2013(要power query等のアドオン追加)です。管理者の方は是非トライしてみてください。

PowerBIの概要はこちらYouTubeに日本語説明があるので是非こちらも参照してみてください。※ビデオではTwitterの分析をしています。

分散化がもたらす恩恵は重要なものであるか?



この数年の間、これまでの集中管理型組織が相対的に弱くなってからか、分散化の話やエンパワーメント論が目立つようになりました。例えば「競争から共創へ」「統制から透明へ」などいった話も特に新しいフレーズではありませんが、昨今のCGM(コンシューマージェネレイテッドメディア)の台頭などの話題もあり、アルヴィン・トフラーの「プロシューマー」などといった話も改めて注目されてきています。

ただ、それは30年前からある概念で、歴史的にはそういうパラダイムが終わったところで今があり、いまになってトフラー的なエンパワーメント論が台頭したと言う話は、単純に古い議論への回帰の様にしか聞こえないという声も聞こえてきます。では、昔と今とで何が違うのか?トフラー的な未来学とあたらしいパラダイムではなにが違うのか、その整理が出来なければ、決して新しいパラダイムを作ることは出来ないはずです。

これまで組織と言えば官僚的な集中化組織を通じて情報処理を行い、環境の不確実性に対処するのだということがウェーバーからハーバード・サイモンあたりに至るまでの見解でした。その後も「分散化がもたらす恩恵は重要なものであるか?」という話は度々繰り返されてきました。

ソーシャルテクノロジーを利用することにより、これまでより低いコストで様々な問題を解決することが出来ますが、同時に新たに発生するリスクも現れてきます。ですから、推進者は改めてこの問いに対しての答えとリスクについて改めて検証しなければならないわけです。

ガートナーがいうような無計画に始め失敗しているESNの多くは、十分な議論が社内でされていないケースです。新しい働き方によるベネフィットと想定されるリスクを洗い出し計画を立てていくことはどのようなビジネスでも共通するプロセスになります。